日タイ関係


タイ日関係



第15回アセアンサミットにおいて鳩山由紀夫総理大臣とタイのアピシット・ウェーチャチワ首相が会談しました。両国の120年以上に亘る友好な外交関係の継続を確認しました。

「タイと日本を隔てる海の存在が我々二国間の交流を困難なものとしていました。ですが、両国の商船が定期的に二国間を往復し、両者の関係を今まで以上に緊密なものにしています。あなた(将軍)が私共に対して親愛の情を抱いてくださっていることは明白です。私達の血縁者よりも強い親愛の情を。」

ソンタム王からの書簡

「我々二国間の友好関係を壊すことはできません。両国を隔てる海の存在など、我々が持つ相互の信頼関係の前では大したことはないのです。」

徳川将軍からソンタム王への書簡

このソンタム王と徳川将軍の間で交わされた書簡が、昔から存在した日タイ関係の程度や深さを明らかに示しており、今日まで両国は継続して深い関係を持っています。

タイ日間の長年にわたる輝かしい関係は、タイに居を構える数多くの日本人と、日本を故郷と呼ぶタイ人がさらに証明しています。長い年月に及び、現代的、経済的、社会文化的そして政治的な交流のみならず、歴史的にも頻繁に交流を行ってきた関係なのです。長い年月をかけ、日本とタイは国内動乱や世界大戦、変わりゆく世界的経済ならびに政治環境を通じて常に接触を維持してきました。


古代の関係



シャム駐箚特別全権大使政尾藤吉閣下は1920年の条約改定に尽力されました。
彼はまたチュラロンコーン大王に重用された法律顧問でもありました。



歴史的記録を辿ると、スオウ(蘇方)、象牙、酒、シカ皮、蜜ろう、胡椒、サンカロク陶器や瓶等の商品を取引のため運ぶサイアムと琉球王国(沖縄)間を船が行き交う15世紀に、タイと日本の交流は始まりました。二国間の関係の歴史的起源は、1616年に設立され、最も繁栄していた時代にはおおよそ1500人の日本人が住んでいたアユタヤ王国の日本村の存在が立証しています。17世紀に両国の貿易は盛んになり、アユタヤの日本人も繁栄しました。しかし、外国との交流を絶つ江戸幕府の鎖国政策が1639年に開始され、日本人村の衰退が始まりました。


現代的関係

二国間の現代的関係は、日本とサイアムが貿易や文化的つながりを築いてから何世紀か後に 修好通商条約を締結した1887年に遡ることができます。本条約の規定の1つに、日本人の法律や教育、養蚕の専門家をサイアムに派遣させ、国の発展を支援することが含まれていました。日本の影響は、タイの基盤構築に貢献したのです。タイ日のさらなるつながりとは、両国の政治体制です。タイも日本も立憲君主制がうまく機能しており、それぞれの国民に王族ならびに皇族は愛されています。日本の皇族とタイの王族は伝統的に友好的な関係にあります。両者間の相互訪問が関係の深さを例示しています。天皇・皇后両陛下は、即位後に初の公式外国訪問先として、1991年にタイを訪れました。1997年にシリキット王妃が日本を訪問し、両国の関係がいっそう充実したものとなりました。2006年、天皇・皇后両陛下は再びタイを訪問し、タイ国王在位60周年祝典儀式に出席されました。



2009年、アピシット・ウェーチャチワ首相の日本公式訪問において、日本貿易振興協会(ジェトロ)
とタイ国立食品研究所とタイ国自動車産業振興機構の間で食品と自動車の両産業の
成長を促進するため、の熟練技能を持つ人材育成に関する覚書に署名しました。

タイの王室と日本の皇室間の親密な関係は、両国間の外交ならびに経済関係を再現しています。2007年、日本とタイは両国にて修好120周年を数多くの文化的行事をもって祝いました。最近では、アピシット・ウェーチャチーワ首相が2009年2月に日本を訪問し、麻生総理大臣(当時)と二国間首脳会議が開催されました。本会議にて両者は、長年の地域的、文化的、そして経済的関係に基づく友好関係と協力体制の継続を約束しました。そして2009年10月には、アセアン関連とEAS会議に出席するため鳩山総理大臣がタイを訪問しました。途絶えることのない両国の強力な君主制と、今日に至るまでの王室と皇室の訪問交流が関係を深める上で重要な役割を果たしている中、長年にわたる両国の一般市民による互いの国の訪問は、収入生成や二国間の相互理解の醸成という点でも重要な役割を担っています。


相互訪問

タイ日間の相互訪問は、両国間の関係を確固たるものにする上で役立っています。タイの王室と日本の皇室間には自然な親近感や類似性があることから、両者間の相互訪問の例は数多くあります。また、長い年月の間に、外交面においても二国の様々な指導者の相互訪問が多く見られます。これらの両国の外交指導者の一連の訪問には、外務大臣から首相まで挙げられ、両国が持つ強固な経済的/政治的関係に大いに貢献しています。

政治的/安全保障協力

タイと日本は、お互い加盟国になっている地域フォーラムにて数々の課題に対して共通の見地をとることにより政治的関係を構築し、はぐくんできました。長年にわたり二国間問題について相互に協力してきた後、両国は関係範囲を拡大させ、東南アジア諸国連合(アセアン)を含め、地域全体が直面する各問題に対処する努力を共に講じてきました。情報共有と安全保障問題における協力体制構築を目的とし、1998年5月には二国間で年次政治軍事協議が開始されました。アセアンとの関係を日本は大変重要視しており、タイとの二国間はもとより、アセアン地域範囲での協力関係を構築してきました。地域協力に対する責任を実証するように、日本は2009年を「日メコン交流年」に定めました。これは、メコン地域の発展を助成し、アセアン内の地域差を是正することを目的とします。

経済協力

タイと日本は、1604年まで遡り長年にわたる貿易関係の歴史を共有しています。1604年から1635年にかけてサイアムの海岸に朱印船が56隻到着した記録が残っています。実際、1620年あたりまでにタ2009年、アピシット・ウェーチャチワ首相の日本公式訪問において、日本貿易振興協会(ジェトロ)とタイ国立食品研究所とタイ国自動車産業振興機構の間で食品と自動車の両産業の成長を促進するため、の熟練技能を持つ人材育成に関する覚書に署名しました。イ日間の貿易量は、サイアムが他国と行っていた貿易量全体よりも多かったのです。アユタヤに設立された日本人共同体は、二国間の貿易において相当な貿易量を生成することに対して責任を持っていました。スオウ(蘇方)やシカ革、絹を日本に輸出し、日本の銀や工芸品をサイアムに輸入しました。



日本は様々な地域問題についてタイと協力して取り組む意思を表明しました。2009年10月24日にチャアム・フアヒンで開催された第12回日・アセアンサミットにおいて、
タイは日本とアセアン、特に日本とタイの経済的、外交的な結びつきを強化していくことを確認しました。





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