19/08/2021
2021年8月11日、ドーン・ポラマットウィナイ・タイ王国副首相兼外務大臣と茂木敏充日本国外務大臣が共同議長とする、第5回タイ日・ハイレベル合同委員会(HLJC)をテレビ会議方式で開催しました。両国の関係閣僚等が出席し、タイ側からは、サックサヤーム・チッチョーブ運輸大臣、アネック・ラオタマター高等教育科学研究革新大臣、ティラユット・バーニシャン工業大臣政務官、ネウィン・チョチャイヤティップデジタル経済社会大臣政務官、日本か側からは、熊田裕通総務副大臣、長坂康正経済産業副大臣、渡辺猛之国土交通副大臣が出席しました。そのほかにタイ日両国の経済分野の関係閣僚、高官らも出席しました。
開会の挨拶の冒頭では、ドーン副首相兼外相が、本委員会は、環境の変化に則したより強靭な復興と、バランスのとれた持続可能な形で、将来の発展に向けた新たな成長パラダイムの推進を前提とし、タイ日間の戦略的経済連携強化となる機会を両国にもたらすものであると強調しました。ドーン副首相兼外相は、本委員会の重要性は、本委員会に先立ち、タイ日・ハイレベル合同委員会(HLJC)の共同創設者兼元共同議長を務めた菅義偉日本国総理大臣からの特別メッセージにおいて確認されている、と述べました。
両国は3つの重要な議題について協議しました。
第一に、タイのバイオ・循環型・グリーン(BCG)経済モデルと日本の「グリーン成長戦略」との連携協力について、両国は具体的な成果のための協力促進に合意しました。
第二に、貿易、投資、工業発展、ビジネス環境の強化協力について、環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)及び、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定を含む多国間の経済的枠組みや、プーケット、バンコクおよび東部経済回廊(EEC)沿線にあるチョンブリ県での日ASEAN相互協力による海外スマートシティ支援策(Smart JAMP)プロジェクトによるスマートシティ協力について、意見交換を行いました。
第三に、連結性向上、メコン地域開発、保健医療分野での協力について、両国は、東西経済回廊(EWEC)と南部経済回廊(SEC)における輸送接続を促進するための高品質インフラ開発協力の継続する決意について再確認しました。保健医療分野の協力については、タイ側は、1,053,090回分のアストラゼネカワクチン供与など、タイ国内の新型コロナウイルス感染予防・緩和支援に係る日本政府の善意に感謝の意を表し、更なるワクチン供与協力について協議しました。日本側は、共にパンデミックを克服するためにタイと協力する準備があると述べました。
タイ日間の協力促進のために、タイ側は、今後5年間のタイ日戦略的経済連携に関する共同戦略計画の起草について協議することを両国に提案しました。
同委員会の中で、タイ側と日本側は関連機関の間で、新型コロナウイルス感染症からの経済回復に大きく貢献するであろう4件の経済協定に署名しました。
(1)両国間の情報及びデータ共有、郵便サービスの質の向上を目的とした、タイ王国デジタル経済社会省と日本国総務省との間の郵便分野における協力覚書;
(2)医療、公衆衛生インフラ開発、ワクチン、医療機器産業、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ、医療人材開発など、両国間の保健医療協力の枠組みとなる、タイ王国保健省、タイ王国高等教育科学研究革新省、タイ王国工業省、日本国内閣官房健康・医療戦略室、日本国総務省、日本国厚生労働省、日本国経済産業省との間の保健医療分野における協力覚書;
(3)タイのバイオ・循環型・グリーン(BCG)経済モデルと日本のグリーン成長戦略の相互補完性に基づいた、持続可能で環境に優しい経済成長を目指すBCG経済モデルのための技術革新における協力を深める枠組みとなる、タイ王国国立科学技術開発庁(NSTDA)と日本国新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)との間の技術研究開発協力に関する覚書;
(4)中小企業を含むタイの産業界を対象に、人材開発や身の丈にあった技術導入、IoT、データ交換などを通じた産業高度化に向けた能力向上のための、タイ王国工業省産業振興局、タイ王国デジタル経済社会省デジタル経済振興公社(depa)と日本国経済産業省貿易経済協力局との間のLean IoT Plant management and Execution (LIPE:リペ事業)に関する協力覚書。
共同プレス声明は、以下のように、同委員会終了後に発表されました。
https://www.mfa.go.th/en/content/jsthaijapan?cate=5d5bcb4e15e39c306000683e
日本国外務省の日タイ共同プレス声明の仮訳は、こちら(https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100221400.pdf)よりご参照ください。